どうも。ゲンです。
ちょいと出かけた先で、ふと鼻先にただよう、香ばしい匂い。
なんか…ええ匂いしてない…?
って吸い寄せられてみたら、串に刺さった鮎をめちゃくちゃ真剣に焼いてるオヤッサンがいた。
そして、気がついたら吸い寄せられるように炭火の前に立ってた。
炭火
串
鮎
オヤッサン
そう、完璧な布陣である。
そのオヤッサンがまた、めちゃくちゃ真剣な表情で鮎を焼いてるのよ。もうね、その姿が完全に「鮎にすべてを捧げし者」って感じで、かっこいい。炎を見つめる眼差しがプロフェッショナル。
「これは話しかけちゃいけないシーンなのでは…」と遠慮しつつも、恐る恐る「…あの、鮎の塩焼き…注文いいですか……?」と声をかけてみる。
すると「真剣に焼いてんだろ!話しかけんな!!」みたいな返しをされることもなく
「はい、焼くのに5分少々お時間かかるのですが…それでもよろしければ、焼けますよ」っと笑顔で返答。
えっ!めちゃくちゃ物腰柔らかで優しいオヤッサン!
この時点で、心の中の偏見反省会が開催された。
――見た目で人を判断するな。
――焼き師は穏やか。
――自分も穏やかに生きよう。
そんな反省をしつつ待つこと5分。
炭火の香りを全身で吸い込みながら迎えた、焼きたて鮎とのご対面。
炭火で絶妙にこんがり焼かれた鮎。
皮パリパリ、身はふわっふわ。
…って、なにこれ、めちゃウマ!!!
塩加減と焼き加減が絶妙すぎて、たぶん今なら自分、鮎のこと1時間語れる。
串に刺さってるのもいい。野性味が増して5割増しで美味しく感じるやつ。
ありがとう、優しいオヤッサン。
ありがとう、鮎。
ありがとう、迷いながら声をかけた過去の自分。
ごちそうさまでした。
鮎って、そういやこの時期限定だったっけ?あんまりスーパーとかじゃ見ないよね。
自分、こういう露店とかイベントとかでしか食べたことない気がする。
でも、そういう「そこに行かないと食べられない感」も、また美味しさのスパイスになる。
なんか、世界中の郷土料理とか「その土地限定グルメ」もいろいろ食べてみたくなった。
とりあえず今は、もう1本焼いてもらえばよかったな〜と、ちょっと後悔してる。