映画『ほどなく、お別れです』公開から3日目。

2回目の鑑賞。

公開から3日間は特典が「フィルム風しおり」のもらえる…予定だったんだけど今回行った劇場では特典の配布が終了しちゃってた…!残念!

あらためて、映画『ほどなく、お別れです』2回目の鑑賞。

以下、ネタバレあり。

ちなみに、公開初日の感想はこちら↓

ほどなく、お別れです
悲しみは人ごとでいい。映画『ほどなく、お別れです』感想映画『ほどなく、お別れです』を観てきた。 以下、ネタバレを含むかも知れないのでご注意! ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 劇場では、鼻を...

今回は、それぞれの死について少し考えてみた。

①歩道橋からの転落で亡くなった妊婦

歩道橋からの転落事故で妊婦の妻とお腹の子を一度に亡くしてしまった夫。

やはり一度に2人家族を亡くしてしまうというショックも大きいと思うし、これから新しい家庭を築こうとしていた矢先の出来事だったので精神的なダメージは、計り知れないものだったはず。

(以前、現実社会でも暴走した車が突っ込んで妻と子を一度に亡くされた悲惨な交通事故がニュースで何度も話題になっていたのを思い出す。)

映画の描写で、バッグにたくさん詰められたオムツもあったけど、そういった準備していたものが残されているというのもかなりつらい状況だと思う。

②闘病中に亡くなった小さな子

闘病中だった小さな女の子を亡くしてしまうシーン。

まだ、娘の死を受け止めきれない夫婦。

どのような病気でどんな治療をしていたのかは映画の中では詳しく触れられていないけど

闘病のため治療を続け、ほとんど病院から出られない入院生活だったのではないかと思う。

そのことに対して親が娘に楽しいことをさせてあげられなかった、幸せじゃなかったんじゃないかと悔やむ描写もあった。

あの、最後の髪を結ってもらって金メダルを誇らしげにつけている娘さんの笑顔めちゃよかった。

人って、意外と“ 日常の小さな幸せ ”にこそ本当に幸福を感じるのかも。

③交通事故で亡くなった母親(妻)

友人の連帯保証人となって借金を背負ってしまった父。

そのため借金の取り立てが家に来るようにもなり、せめて2人兄妹の子供たちを守ろうと両親が離婚して父親が出て行く形となった。

息子は父が家族を不幸にしたうえ、捨てて出て行ったと思い父を憎んでいた。おそらく、両親の離婚後も家を支えるために働いて苦労もしてきたんだと想像できる。

そんななか母親が交通事故で亡くなり、そのことを今は別のところで暮らしている父(元夫)に連絡するかしないかという場面。

家族を捨てた父親に連絡などしないと息子は反対するが、実は両親は嫌いになって別れたわけではなく子どもたちを守るために出て行ったこと、離れ離れになっていても母と父は手紙を出して想いあっていたことを知る……。

おもちゃの婚約指輪のくだり、すごく好きだった。

当時は貧乏だから、おもちゃの指輪を渡した若かりし頃。

「おもちゃじゃん?」っていう長野桂子役の野波麻帆さんの声色も良かったし、長野正史役の原田泰造さんの表情や演技も心にグッとくるものがあった。

結局、後で買った本物の婚約指輪も借金で売ることになっちゃって…って切なく苦しかった……。

④漆原礼二の妻

目黒蓮くん演じる漆原礼二さんの妻の死も悲しいものだった。

残された側が家に帰ったあと、日常だけがそのまま一時停止して残っているような空間が、かなりつらかった。

干してある洗濯物、予定が書かれたカレンダー、そして帰ってきたら洗おうとしていた流し場の食器……。

でも、家族の突然の死ってあんな感じなんだろうな。

心の準備できてないままみんないなくなるんだ。

むしろ準備できてる状態の方がめずらしいはず。

⑤清水美空の祖母

浜辺美波さん演じる清水美空さんの祖母の死。

序盤から亡くなっちゃうフラグはかなり立ってたけど、やっぱり最後亡くなっちゃった。

でも、祖母の死が美空や家族のひとつの“ 区切り ”となり、先へ進む一歩となったと思う。

美空の姉の美鳥(みどり)ちゃんは、美空が生まれた日に祖母と川辺を散歩中に亡くなってしまった。

美鳥ちゃんの死を、受け入れられなかった美空の母と祖母はその気持ちに蓋をしてしまって生きていた。

でも、祖母の死によって、今まで抱えていた家族の気持ちも溢れて、美鳥ちゃんの死も受け入れて先に進める形になったと思う。

漆原さんも言っていた葬儀ってのは、“ 区切り ”の儀式なんだなってのを改めて感じたシーンだった。

美空さんの母が亡くなった祖母に対して「そっちに行くまでまた美緑をお願いしますね。」って一言もまたグッと心に刺さった。

映画『ほどなく、お別れです』はただの御涙頂戴な悲しい映画ではない。

大切な人の死によって前に進めなくなってしまった残された人たちが、前へ、未来へ進むための“ 区切り ”の儀式の物語だ。

いつかは来る死とどう向き合うか、今生きている大切な人とどう向き合うか、自分も身の回りの人たちとの向き合い方を見つめ直して優しい気持ちになれる、そんな映画だった。

『ほどなく、お別れです』

原作:長月天音(ながつき あまね)

漆原礼二 役:目黒蓮(Snow Man)

清水美空 役:浜辺美波